【TITF#30 2025現地レポート】タイ最大級旅行博で見えた「訪日旅行」最新トレンド

2025年1月16日(木)〜19日(日)の4日間、バンコクのQueen Sirikit National Convention Centerで開催された「Thai International Travel Fair(TITF)#30」に行ってきました。
TITFは、タイ旅行業協会(TTAA)が主催するタイ最大規模の旅行博覧会。海外旅行を扱う旅行会社や観光局、航空会社などが一堂に会し、タイ人旅行者に向けて様々な旅行商品やサービスを紹介するイベントです。
今回は、会場の雰囲気や人気のブース、来場者の動向、そして訪日旅行に関するトレンドについてレポートします!
今回、イベント開催中の4日間「JR西日本」「東急東急リゾーツ&ステイ」さんのイベントブースの運営をお手伝いしており、5社近くの航空会社、旅行会社との連携やタイアップも行ないました。視察やブース運営だけではわからない即売の面からもイベント状況をお伝えしますのでご参考にしてみてください。
Thai International Travel Fair(TITF)
会場の様子とTITFの概要
会場となったのは、リニューアルを終えたQueen Sirikit National Convention Center(QSNCC)。地下のホール5・6を中心に、600以上のブースが並び、朝から多くのタイ人旅行者が詰めかけていました。
会場のあちこちでは、航空券・ホテルのタイムセールや、各国の観光局によるフォトスポット、民族衣装の試着体験、ステージパフォーマンスなどが行われ、まさに“旅行好きにはたまらない空間”に。
そして、1月15日には、旅行業界関係者限定のB2Bマッチングイベントも実施。タイ国内外から300名を超えるバイヤーが参加し、各国の観光団体や企業とビジネス交流を図っていました。
Visit Japanブースが大盛況!
会場内でもとりわけ注目を集めていたのが、日本政府観光局(JNTO)バンコク事務所による**「Visit Japan(VJ)ブース」。4日間で約15,000人が来場し、日本への関心の高さを改めて実感しました。
VJブースでは、日本各地の観光情報の紹介に加えて、訪日旅行商品をその場で購入した方を対象にしたプレゼントキャンペーンも実施されていました。
さらに、30社以上のタイの旅行会社・航空会社と連携し、訪日パッケージの販売促進を展開。多彩なラインナップと安心感のある接客が印象的でした。
タイ人旅行者の関心は「航空券」と「地方周遊」
会場で実施されたアンケートによると、来場者が購入した訪日旅行商品の中で最も多かったのは「日本行きの国際線航空券(57%)」。
続いて「FIT向け商品(19%)」、「グループツアー(17%)」、「国内線航空券(9%)」と続きました。
実は、現在のタイ人訪日客の約8割はリピーター。訪日経験者が多いため、北海道や九州、北陸などの地方都市への関心が高まっているのも特徴です。
タイからの直行便がある都市は限られているため、現地では日本国内線やJRパスの活用、あるいはレンタカーによる周遊など、「東京・大阪以外」を目指す新たな旅行スタイルが注目されていました。
SNS発の“リアルな声”が旅行先選びの決め手に
興味深いのが、訪日旅行先をどうやって知ったかという質問への回答。最も多かったのが「友人・知人のSNS・ブログ(44%)」でした。
以下も、
・「旅行会社・宿泊施設のSNS」(19%)
・「インフルエンサーの発信」(14%)
・「公式WEB」(14%)
・「口コミ」(14%)
と続き、SNSや口コミによるリアルな体験談が旅行先選びに大きく影響していることが浮き彫りに。
この傾向から、今後のプロモーションにおいては、“タイ人が共感しやすいストーリー性”や、“SNS映えするスポット・体験”の提案がますます重要になると感じました。
安さよりも「価値」で選ばれる日本旅行
さらに興味深いのが、「なぜそのブースで旅行商品を購入したか?」という質問に対して、
・「サービスが良い(29%)」
・「信頼できる(14%)」
・「評判が良い(11%)」
という「信頼性・安心感」が半数以上(54%)を占めていた点です。一方で、「価格が安い」は18%に留まりました。
最近では、中国への旅行需要が価格の安さから高まる一方で、訪日旅行は「価格以上の価値がある」と再認識されつつあるのが現状です。
今後のプロモーション戦略に向けて
TITF#30の来場者の反応を通じて、改めて実感したことは、
・SNSと口コミが旅行需要を左右する
・地方都市や“ニッチ”な観光素材への関心が高まっている
・訪日旅行は「安さ」ではなく「価値」で選ばれている
という3点です。
今後の訪日マーケティングにおいては、地方への航空アクセスの案内や、SNSで共感されるコンテンツ作り、そして信頼される情報発信がますます鍵になってくると感じました。
最後に
TITFは、単なる旅行商品の展示会ではなく、「次に行きたい場所を見つける旅の祭典」そのもの。
2025年の旅行トレンドをいち早くキャッチする場として、非常に有意義なイベントでした。
訪日マーケティングを考える上で、「現場での肌感覚」は何よりのヒントになります。次回以降も、現地イベントを通じて、リアルな声をキャッチし続けていきたいと思います。